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音楽の話 その1 [楽しい音楽の話]

以前、坂本龍一の「schora 音楽の学校」という番組で、「西洋音楽」はだいたい150年周期で変化している、というような話題があった。
曰く、私の記憶しているところでは、
  • 〜17世紀初頭:ルネサンス音楽
  • 〜18世紀中頃:バロック音楽
  • 〜20世紀初頭:クラシック音楽
  • 20世紀以降:20世紀の音楽(?)
という区切りであったかと思う。

一般にバロック以降の音楽の流れは、ベートーベン辺りを境目にして「古典派」と「ロマン派」に分かれるという区分があるとされているが、この両者にそれほど大きな差異はないという。だから両者は「クラシック音楽」という区分で統合される。私もこの見解には同意である(形式がどうだとか、標題がどうだとか、和音がどうだとか、確かに前後と比較してたいした違いとなる問題ではないだろう)。一応説明しておくと、古典派とはベートーベンまで、有名どころではハイドン、モーツァルトなど、ロマン派とはシューベルト、シューマン、ブラームス、リスト、ワーグナーなどの、それぞれそれこそ「クラシッック」と言えば誰でも知っている作曲家の時代である。
その前のバロック音楽とは、有名どころで言えばバッハとかヘンデルとか、「四季」で有名なビバルディとか、私には、オルガンやら弦やらがうにゃうにゃうねうねしているよな〜という、クラシックファンからすればまさに激怒されるようなものすごく適当なイメージがあるが、まあなんかそんな時代の音楽である。
バロック以前の音楽はよくわからないが、私の理解としては、例えば戦国ドラマとかで織田信長が外人にリュートだかオルガンだかを弾かせて「おおお、これが異国の調べかっ」などと感動に打震えていたりするのが、時代的に「ルネサンス音楽」なのであろう。
番組では言及されなかったと思うが、ルネサンス音楽を150年遡ると15世紀中頃になる。これは奇しくも中世の終焉(最近は異説もあるようだが)と言われるオスマン帝国による東ローマ帝国滅亡の時期(1454)と重なる。ルネサンス文化はその東ローマから亡命してきた文化人によるものやら、古代ローマ復興が目的だのやら言われているから(このへん、あまり詳しくない)、ここらあたりでまた一区切りあったのかもしれない。それ以前の「中世の音楽」という概念もあるようである。

これらの区分は「西洋音楽」限定ではあるが、幕末から明治以降に「西洋音楽」を受け入れ、いつの間にか純邦楽を脇に寄せてしまっている日本の音楽も、現時点ではこの「西洋音楽」にほぼ取り込まれてしまっていると思ってよい。同様にアメリカ大陸はもちろん、アフリカやアジア、その他の諸国の音楽も、もちろんすべてとは言わないが、既に取り込まれてしまっている部分があると言ってもよいだろう。

ここで一応念のため言っておくが、たとえば邦楽の場合、いわゆる「演歌」というご存知のジャンルがある。これは少なくとも現在流布しているものは明らかに、元号で言えば昭和以降に造られた「西洋音楽」である。民謡も五線譜で歌えるようなものはかなりグレーであると言っていいが、まあ元ネタがあるからあれはあれで日本独自の音楽と見てよいだろう。だがこちらの「演歌」をつかまえて「日本人の精神」だの「日本人のこころのふるさと」だの言っている輩がいるが、実に笑止きわまりない。別に「演歌」そのものを否定しているのではない。
そしてさらに言えば、むしろ「演歌」自体は言うほどには罪深くないが、他にもなにやら近代になって捏造された文化に関して、さも日本太古からの文化であるようにありがたがったり人に啓蒙しようとする輩がいるが、その根性が気に食わない。伝統文化であることを主張して、それを他人に強制する。だがその学術的な背景や歴史的経緯は絶対に述べない。身勝手な捏造だからである。こういう厨房は、いわゆる出典は述べないWikipediaで言うところの典型的な独自研究脳である。
何を言っているかわからない人は別にわからないでも良いが、「日本古来の文化」だの「日本の伝統」だの自らアピールしているものは、まずは一応疑ってかかった方が良い。
もちろん折り紙付きの奈良時代の国宝のなんたらだとか、平安時代のなんたらだとか、そういうのは別である。そしてそれらをどう評価しようがそれはそれで自由であるが。
私としては、西洋音楽としての「演歌」が日本の音楽に与えた影響は計り知れないと思っている。21世紀の現在においても、具体例はあげないが、アイドルの皆さんやバンドさんたちの曲でも「おいおいそれ演歌だろう」みたいな曲は散見される。だから「演歌」そのものは、あまり好きではないけれど否定はしない。好きでもない者が偉そうなことを言って申し訳ないが、「演歌」ファンの方がいらっしゃれば、そういう観点で「演歌」が現在の日本の音楽に果たした功績を改めて見直していただけらば幸いである。

話がそれた。
ここで、以下に述べることはあくまでも私見である。音楽はもとより、世界史に関してかなりいい加減な知識しか持っていないので、書いてあることは正確ではないかもしれない。以下に述べることをどう思われるかはご覧になっている方次第である。
明らかに間違っている事実に関しては指摘していただけるとありがたい。

そして最後には私が勝手に妄想する一つの懸念を表明する。

つづく


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