想定外

以前にも書いたことがあるかもしれないが、他人に「自分が忙しい」ことをアピールするのは恥ずかしい行為である、と断じる人がいる。そのココロは簡単で「私は自己管理能力が無い無能な人間です」ということを表明しているに等しいからだ。もちろんケースバイケースで、例えばブラックな環境にはまってしまっている人にとっては、自己管理も何もないかもしれない。少なくとも現代の美しい国の国民は、過去の隣国の方々のように強制的にブラックに連行されたものではないし、だから自己責任とまでは言わないが、その場合は「私はうっかりブラックにハマってしまった不幸な人間です」ぐらいには軽減しても良いであろう。

そしてもう一つ、「想定外」というワードである。災害等で自分たちの構築したシステムが崩壊したとき、「想定外」と言えば何でも免罪されると思いこんでいる輩がいる。これもだいたいは「私達は想像力のかけらもなく、コスト最優先で不細工なシステムを構築した無能な集団です」と言っているに等しい。てめーたちの築き上げたユートピアが脆くも壊れさろうが知ったことではないが、その無能システムで結果的に大勢の迷惑する人たちが出てくる。それにはもちろん現場作業に駆り出される人々も含む。迷惑を被る人たちが強いられる生活、あるいはそれこそブラックに近い労働条件で復旧作業に従事することの方が余程「想定外」であろう。無能な集団のトップやブレーンごときが軽々しく無責任に使用する言葉ではないのだ。

「想定外」がみっともないのは、頭悪いくせにそいつを主語とする「想定」という要素が含まれているからである。その点、似たような言葉で「未曾有」の方がまだマシかもしれない。これは「みぞうゆう」と読む。（はい？）
何？「みぞう」だ？馬鹿者！堅牢なシステムを構築できる選ばれたエリートは「みぞうゆう」と読むのだ。覚えておけ。

（毎度不真面目なオチで、うちのなめこがすみません）