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博士、データを改竄す [博士と助手シリーズ]

「博士、こんな夜中に何をやっているのです?」
「えっへん!研究データの改竄である」
「なにを偉そうに」
「カイザーンとも言う」
「言い直さなくてもいい。てかダメだろ!それ」
「良いのじゃ」
「この間も神戸セイコウ大学のデータ改竄で、検察や警察の家宅捜索まで入ったじゃないですか」
「大丈夫、あっちは私立、うちは国立だ。国立財務大学である」
「いつからそんな胡散臭い大学名になった」
「国立大学ということは、私達教員は国家公務員である。国家公務員は西暦2018年以来データ改竄フリーということが閣議で決められたのじゃ」
「はい?」
「自分に都合が悪ければ、でかけていってよその大学のデータもカイザーンしていいみたいだぞ」
「いいわけないだろ。そもそもなんで改竄を?」
「カイザーンと言え」
「黙れ」
「ここだけの話、うちの学長がじゃな」
「博士の恩師だという、人事権バリバリに握っているあの学長が?」
「あそこの奥さんが」
「そういう方向の話か」
「その奥さんも研究者でな、変な学説をヒソヒソヒソ。。。」
「それはまずい。学長の学者生命も危ういじゃないですか」
「そこで学長が啖呵を切ってしまったのじゃ。うちの妻が関与していたら学長の座をヒソヒソヒソ。。。」
「いや、ヒソヒソはいい。それでなんで博士がデータ改ざんを?」
「長いものには巻かれろ、という定理がある」
「はい?」
「ソンタークの原理ともいう」
「意味不明だな」
「君も手伝え」
「なんで私が。。。」
「君も助手とは言え、国家公務員だろ」
「え?そうなの?」

後日。。。
記者「博士!今回のデータ改竄、あなたがやったんですか?!」
博士「私はやってない♪潔白だ♪」
記「何だその歌は」
博「あれはこの隣に座っている助手が勝手にやったことじゃ」
助手「はい?」
博「私はデータを清書しろと言ったのだ。改竄しろとは言っていない」
助「国家公務員だから改竄フリーだと」
博「非常勤の君が公務員なわけなかろう」
助「はあ?」
博「国家を冒涜する非国民め、お前は在●か?自己責任だ。とっとと回線切って自殺でもなんでもしたまえ。一体野党が政権時代何をした?代案を出せ。プロ市民め!」
記「博士、何をおっしゃってるかさっぱりわかりませんが」
助「ってか今回も、この話、落ちるのかよ?」
博「落ちません!」

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